転機を迎えるふたり「ひだまりが聴こえる-幸福論-」文乃ゆき

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もちねこ

こんにちは!もちねこだよ。本日は、「ひだまりが聴こえる」のシリーズ2作目となる「ひだまりが聴こえる-幸福論-」のレビューだよ。とてもすてきな作品なので、BLを読んだことがない人にもおすすめしたい作品なんです
ひだまりが聴こえる-幸福論
ときめき度
(3.0)
面白さ
(3.5)
大人女子度
(3.0)
おすすめ度
(4.0)
注意
この作品のジャンルは、BLコミックとなっています。キス止まりのふたりとなっています

「ひだまりが聴こえる-幸福論-」レビュー

航平:好きだから側にいたい。でも、好きだから、友達のままで

1巻にあたるシリーズ1作目では、心を閉ざした難聴の航平が、自分の心を開かせてくれた明るくおおらかな男の子、太一に好きだと告白したところで終わっています。

その続きとなるシリーズ2作目がこちらなんですね

まず、ふたりのその後は、どうなったのか?っていう部分がすごく気になるんですけど、航平は、自分の片思いだと思いこんでいて、太一とは友達のままでいようとしています

太一が同性だから、もう一度、告白をすることで白黒をつけるのがコワイんですね

それなら、友達のままで、側にいたいって思っています

だから、太一の家にご飯を持ってきて、太一が美味しそうに食べていても、「家までおしかけてごめん」って、まず謝っちゃうんです

同性だからこそ、当たって砕けることもできない中途半端さが、すごいジレジレするんですよ

そして、太一の側にいれるだけで、心が温かい場所にきたような気持ちになって「ありがとう」って言っちゃう

それほど、太一の側にずっといたいなって思っている航平なんですが、太一が、やりたいことがあるから大学をやめると言った時は、ひきとめず「太一がいなくても平気だよ」って言っちゃうんですね

好きだから、相手の意志を尊重する航平なんですが、でも、大学に一緒に在籍しているから会えるのであって、そうじゃなければ、会う理由がないふたり。

太一と、二度と会えないかもしれない・・・と、航平は沈んでしまいます

でも、そんな姿は一切太一に見せず、笑って、「太一も新しい場所でがんばってね」って太一を送り出すんです

もう・・・ほんと、この航平の恋心が最初から最後まで、せつなすぎるんです

太一:恋愛初心者には同性との恋愛は難易度が高すぎたみたい

航平がこんなに太一のことを思っているのに、航平の思いが、太一に全く伝わっていないのが、すごい、歯がゆいんですね

太一も、自分の気持がよくわからず、戸惑っている部分があるんです

大学をやめて、手話を扱う会社に入るんですけど、それも、航平がいつも笑っていられる社会がつくれるといいなって動機からなんですね

読者から見ると、太一が、いつも航平のことを考えていて、あきらかに、それ「恋」だよってわかるんですけど、当の本人が、はっきりと自覚していない・・・

しかも、もう一回、航平から「好き」って言われたら、なんて返事をしていいかわからず、逃げちゃっている部分もある・・・

恋愛初心者で、しかも、相手は友達の男の子で、太一も自分の心に確信が持てないんです

「大学をやめる」って言ったときも、本当は航平に引き止めてほしいって思っている

本当は、航平と離れることを寂しいって思っているのに、自分からは、その一言を言うことができない

大学にいるってことだけで、毎日、ケンカしても、航平と顔を合わせる機会があった太一

でも、大学をやめたことで、毎日、会っていた航平とも会えなくなります

新キャラの女の子が登場します

新キャラに、航平が家庭教師をしている先の後輩で難聴の女の子「マヤ」が出てきます

彼女は、航平のことを恋愛対象として好きかどうかって部分は曖昧なんですけど、自分の同士として見てる

だから、航平が、太一に片思いをしているのが、すごく理解ができないんです

太一、すっごく賑やかで、うるさいんですよ

マヤから見たら「どこがいいの?」って感じなんでしょうね

気の強いマヤと太一は、ほんとソリが合わなくて、ずっとケンカをしているんですけど、彼女も太一と関わっていくことで変わっていきます

一番好きにシーンはここ

太一の嘘いつわりない明るさは、航平だけじゃなくマヤの気持ちも救います

ある種の人間にとって、太一みたいなタイプの人間は、すごく必要なのかもしれません

一番わたしが好きなシーンは、1巻で、心を閉ざしていた航平が「太一に会えたから聴こえなくても俺は 今の俺で良かったって思えたんだ」っていうシーン

航平が、太一と出会えたことで、難聴の自分も受け入れられて本当によかったと思いました

このセリフの後、航平から見る太一の姿が、数コマにわたり入るんですけど、航平視点からみた太一は、ほんと、光っているんですよね

ひだまりが聴こえるって題名の“ひだまり”って航平からみた太一のことなのかもしれません

まとめ

最後は、すれ違いもとけて、無事、ハピエンとなっています

総ページ305P!!

ものすごい読み応えがあります。

文乃先生の作品は、本当、映画みたいな感じでコマがきられていくんですよ

登場人物のいる背景を含めて心理描写を表していることがあってそれが、すごい胸に響くんですよね

あと、表情がすごくいいんです。

つらい表情、苦しい表情、涙が溢れてしまう表情

すごく見入ってしまいます

好きだけど、グイグイいくこともできず、友達の距離を保とうと思っているのに、それができない航平

恋愛初心者で、航平の気持ちが離れていくと寂しいのに、どう伝えていいかわからなくて待ってしまう太一

同性同士だからこそ描ける世界観で、切なくて心あたたまる恋愛ストーリーです

本当、なんど読んでも発見がある、読み応えがある作品となっています

もちねこ

最後まで読んでいただきありがとうございました文乃ゆき先生は、別名義「茜田千」でも活躍中です。そちらは、非BL用のお名前のようで、そちらの名義で出版されている「さらば、佳き日」も、すてきな作品となっています

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